研究について
私は室温で測定できる走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて実験をしています。
研究テーマは「STMを用いた金属表面の研究」ということで非常に広いのですが、主にCu(001)
表面に窒素を吸着したc(2x2)N/Cu(001)表面を調べています。これがその表面のSTM像です↓
N/Cu(001) 100x100nm^2
© K.Yagyu
窒素原子がCu表面に吸着すると吸着したサイトのCu原子は押し広げられて表面に歪みが生じます。窒素吸着領域が5nm×5nm程度の四角形になると、歪みを開放するようにして平均幅約2nmのCu清浄面を挟むため、このような規則正しいパターンを形成すると考えられています。
Cu清浄面に注目すると周期が7nmのグリッド面(格子面)と見ることができます。グリッドの方向は[010]と[001]です。
規則的で美しい表面ではありませんか。どんな金属の表面でもこのように並ぶのではなく、これは
Cu(001)表面と窒素の組み合わせならではの特徴です。不思議です。
私はこの表面にCoやFeを蒸着して表面の変化を調べたり、作成方法を変えることによって上にあげた画像とは違った構造を作ろうとしています。あまり詳しくなくてすいません。
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